最終日/ヴィエナ/雨

2/24 火

明日の午前の便なので、実質最終日。
早く起きなくていい日ほど勝手に早く目覚める。

時間を持て余したのでもっと寝るつもりだった今福を
電話で起こしてウィーンの街に出る。

ちなみにWienの英語名はVienna。
ドイツ語名と英語名が違うのがややこしい

この日はルームメイトの福田さんも一緒。

130メートルの尖塔をもつシュテファン大聖堂を見る。

その後は、ウィーン名物と検索すると真っ先に出てくるヴィーナーシュニッツェルを食べに行く。
シュニッツェルとは、仔牛のカツレツこと。

僕らが行ったのはもっとも伝統的で有名なシュニッツェルのレストラン、フィグルミュラー。
皿からはみ出した顔より大きいサイズのカツレツが出てくる。
とても混むとのことなので、開店11時の10分前に到着。

なんだガラガラじゃんかと思ったら、ほとんどの席が12時から予約されてた。
早く来てよかった。
13ユーロとかなり高いけど、こんな名物を逃すわけにはいかない。

やはりでかい。
オススメされた赤ワインを頼んでしまい、
お金がないので付け合わせのサラダとかパンとか頼めず。
ひたすらワインとともにカツレツだけを食べていく。

このカツレツ、かなり薄く揚げられていて、
普通のカツなら胃もたれするサイズだけど
かなりスッキリと完食できた。
とても良質な油で、上手に揚げられているのだろう。
ちなみにすらっとした中国人女性も同様に頼んでて、完食したはず。

2人レインコートでの高級店に入店だから場違い感はあったけど、満足。

シュテファン大聖堂の尖塔に登る。狭い螺旋階段を330段ひたすら登る。
閉所暗所恐怖症の父には耐えられないだろうなと思った。笑

景色はまずまず。
ウィーンは新市街もかなり食い込んでるからすごくいいわけではない。


そのあとは19世紀の大国、オーストリア帝国を築いたハプスブルグ家の王宮ホーフブルクへ。
火曜は中には入れないので、外観だけ。
建物は白が基調で、屋根やドームは緑。いたるところに像がある。

そして、ハプスブルグ家のマリアテレジアやその息子フランツヨーゼフが夏の離宮として使ったシェーンブルン宮殿にも行った。

ここは世界遺産で、宮殿と広大な宮廷が広がる。
正面の丘に立つ門もいい味を出している。
プロイセン王国の離宮だったポツダムのサンスーシ宮殿よりも俺は好きだ。

せっかくだから宮殿の中も入る。
あまりに豪華に城をこしらえたバイエルン王国の城を見たせいか、
あまり飾りすぎていない、という印象。
たとえば王のベットを比較すると、バイエルン王国は屋根まで付いてて
その上にゴシック風の彫刻まであってガシガシに飾られていたのに対して、
ハプスブルグ家の皇帝フランツヨーゼフのベットはかなり簡素。
内装も白が基調。ロココ様式は尖った感じがなく、かわいらしい。
とても趣味がいい。
そして飾られている絵が美しい。

女帝マリアテレジアの絵は何枚あったかわからない。
マリアテレジアは自分の行軍に何千もの人を従えたらしい。

趣味はいいにしても、市民の血税で王族のためだけに
これほどにも豪華な宮殿を作ってしまうことには
やはりいただけないですね。
権力を示すことに大きな意義があったんだろうけど。

まぁシェーンブルン宮殿はこの旅の中でかなり上位にランクインするよさだった。
ウィーンに行ったらここは逃せません。

サンスーシ宮殿もケチらず中に入れば比較できたのにな。

宮殿ではザッハトルテという、これまたウィーンで一番有名なお菓子を食べることができた。
これはザッハというホテルのチョコレートケーキで、
ウィーンではザッハとデーメルという店以外では見つけにくい。

チョコレートケーキはかなり甘くて
甘くない大量の生クリームととともに食べる。
俺はかなり好きだけど、
甘すぎるので食べきれない人もいるかもしれない。

その後はオペラを見に行く。
ウィーンは国立歌劇場は世界三大オペラ座の一つだと聞いた。

安い席なら3000円くらいで観れるのだと思うけど、俺らはそんな金ははいから立ち見で見る。
たったの約500円。

ちなみに席で見る場合は正装で見ることが求められる。
レインコートで来ている立ち見の俺らと
美しく着飾ってワインを飲むシートの人々の間に
貴族と下級庶民のような格差を感じた。笑

見たオペラはアンドレア・シェニエという知らないもので、
内容もイタリア語(?)でイマイチわからなかった。

21時にスーパーが閉まる前に酒盛りがしたかったので、
庶民たちは休憩時間に途中退出を決行。

ちなみに帰りのウィーン→ヘルシンキの便で隣に座ったおばさんがウィーンに11泊もしてたオペラオタク。
俺らが見たオペラはつまらないやつだから
もっと評判のいいやつを次は見るべきって物知り口調でいわれた。



俺が最後の夜だから、スーパーでビールとつまみを買って酒盛り。
俺がどうしてもリピートしたかったケバブも買って食べた。
ポツダムで食ったビーフケバブのほうが少し高いだけあって美味しかったけど、文句無し。
ケバブ好きだなぁ。

宿ではまたスイス人とトランプをしたり、他にいた日本人と飲んだりした。
途中から昨日演奏していたメンバーたちに入れてもらってウォッカを飲む。
俺の最後の夜ということで今福が少し盛り上げてくれた。
弾き語りもし始めるし最高。

楽しいから徹夜からのフライトも見えたけど、さすがに2時に就寝。
帰りたくない、と思える本当にいい夜になった。
こういう瞬間のためにみんな旅をするんだなぁと、そう思う。
いろいろと至らないところやうまくいかないこともあったけど、気持ちく最後を迎えられた。
いろんな出会いや経験ができたことに感謝。