ミュンヘンでの闇


2/22 日

この日は3週間の中でもっとも暗黒。
俺の渡航の中の黒歴史。

電車のチケットを前日まで取らなかったせいで値上がりしていて、
ウィーンへは夜行列車での移動となった。

朝起きると、喉が痛い。
ひとまずホステルの朝食。
体調は悪くてもなぜか食欲を失うことはないのでこっけいなほど食べる。

10時にチェックアウトなのでギリギリに出る。
この時点で体のダルさを感じていた。
その上雪が降っていて極寒。

ひとまずスーツケースをロッカーに預ける。
メインのマリエン広場にある新市庁舎にいく。
ここにはドイツ最大の仕掛け時計があって、12時になると人形が動き出す。
自分が想像したような人形の手足の動きはなかったけど、
これが1909年に完成したと思うとすごい。

ちなみに寒空の下待たされていて、体調悪化。

日曜日なので、3つある美術館の入場が1ユーロ。
あわよくば休憩室的な場所で寝られることを期待して訪れる。
訪れたのはノイエ・ピナコテーク。19〜20世紀前半の作品がある。
.期待したような空間はないけど、せっかく来たから重たい体で鑑賞。

ゴッホのひまわりを見つけた。
本当に本物なのか?
と思いwiki先生に聞いてみるとゴッホは7つもひまわりを書いていて、しかもそれぞれ本数が違うらしい。
絵の鑑賞は自分にとってはあまりおもしろくなく、体調が悪かったために3割も見ずに退出。

どこか寝る場所が欲しい。
明らかに熱がある。
夜行列車にしてしまったことで帰るホテルがない。
寝る場所が欲しいけど日本のまん喫みたいなところはない。
カフェで寝るわけにもいかない。
誰かに助けを請う勇気もない。

ということで、思いついた手段が、泊まっていたホステルのスペースで寝ること。
実はホステルの公共スペースに寝られるマットがあったのだ。
16時頃にホステルに戻りいかにも宿泊者風の顔をしてマットのスペースへ。

23時の夜行の時間までグダグダ休憩。
なんという無駄な時間。

この日は旅行中は思いたくない「日本に帰りたい」という思いが強くなった。
そしてそういう思考になったとき初めて日本とヨーロッパの距離を実感する。遠い。
これからあと12時間も飛行機に乗らないと帰れない。
もし飛行機がなかったらどれだけかかるんだよ、
とか考えたり。

まだあと3日あるのに、旅する気力を失いかけた。
体調悪いとネガティヴ思考が前面に出てくる。
心が弱い証拠です。

とにかくひとりで旅行するには未熟なところが多すぎた。
計画や体調のマネジメントしかり、コミュニケーション能力しかり、英語力しかり。
これらがしっかりしていればこんな思いをすることはない。

バイトにもサークルにもいかず家族も置いてきて
せっかく時間をいただいているからあと3日、いい経験をしよう!!