チャタルクル:天空の秘境湖

8/30タシュ・ラバット➡︎チャタルクル湖


ユルタの寝心地はかなりよかった。

床は芝生だけど。

この日はあまり書くことがない。

なぜなら言葉では表せない雄大な景色の連続だったから。


朝9時に馬に乗って出発。

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最初は怖かったが、馬は思ったより簡単に乗れる。

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みんなは知らないと思うが、馬は歩きながら屁をこくのが好きだ。

歩きながらうんこもする。

さらに乗っていると揺さぶられてお尻の皮膚が擦れて痛い。

それでも70キロ近いわれわれを乗せて4000mの山々を越えてくれるのだから文句は言えない。


さらっと書いたが、そう、なんと標高4000m地点を通過するのである。

そもそも出発したタシュ・ラバットが標高3000m。

さすがは中央アジア、スケールが違う。

見える景色は感動の連続で、

2時間ほど馬に揺られて

ようやく頂上地点に着いた。


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反対側が見えた時は感極まって泣くかと思った。

泣かないけど。

もちろん、地上最高到達地点である。


頂上付近は植物もなく、自分達の歩く音以外は何も聞こえない。

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これまた幻想的。

その反対側にあるのが、チャタルコル湖である。


なんと標高3600mの地点にあり、世界でも有数の高さにある湖だそうだ。


30分ほど下って、ユルタと小屋のある場所に着いた。

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半年前に自分が今までにみた中でもっとも美しい場所だと言った

イギリスのセブンシスターズは、

申し訳ないけどチャタルコルと比べてしまうと馬のフンレベルだ。

それほど美しい。

小屋には、昨日会ったベルギー人を残して先に進んだ四人組がいた。

6人は全員がもともと知り合いだったわけでもなく、

たまたま目的が一致して一緒に旅をしているらしい。

旅において全く口論なども起きないらしい。素敵だ。

彼らはもう帰るらしく、

タシュ・ラバットに戻るのを見届ける。ひとまず湖畔へと行ってみることにする。

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ユルタから湖畔まであるいて15分くらい…に見えた。


しかし、実際に歩いて見るといくら歩いても湖畔に近づかない。

20分、30分、40分と歩いても湖畔までの距離感は全く変わらない。

実際に湖畔に到達したのはなんと歩き始めて80分後。

振り返るとユルタが豆粒サイズでしか見えない。


さすがウルトラマニアックな秘境地帯なだけに、次元が少し歪んでいるのだろうか。

天国に続いているような気分になって、

歩きながらこのまま死んでもいいと思えるほどに幻想的だった。

ちなみに自分はパイレーツオブカリビアンのディヴィジョーンズのロッカーを連想した。

水辺に近づこうとすると、ぬかるんだ草地が行く手を阻む。

それでもせっかくここまで来たからと進もうとした途端、

案の定靴ごとはまりそうになったため断念した。

弟に借りた黒のナイキはグチャグチャだ。

馬糞のない乾いたところを見つけ一時間ほどお昼寝。

素晴らしく気持ちが良い。そして来てしまった道は帰らなきゃいけない。

行きは冗談を言い合いながら元気に歩けたが、

帰りはほとんど無言でひたすらユルタまでの距離を埋める作業だった。

今日チャタルコル湖に来た観光客は2人。

もちろん自分達を含めて。

自分たちがどれほどの秘境に来たかを思い知る。

先ほどの湖畔へのウォーキングのくだりでなんだか時間を無駄に使っているように思えるかもしれないが、

他に話し相手もいないとなんてったってすることがないのである。

今福とする話も尽きてきているためいかに中央アジアを旅することが素晴らしいかを確認するというくだりをひたすら繰り返している。

実際素晴らしいんだけどね!笑


夜ご飯は現地人と一緒に食べる。ひとりだけ英語をかじっている女性がいて、いろいろと話を聞いた。

どうやら彼女の家族は夏の期間だけは湖畔に住み、それ以外の期間はタシュ・ラバットで生活しているらしい。

電気は昼の間に蓄えたソーラー電池のみ、

周りの自然は雄大だがそれ以外は馬や牛や羊の糞しかない。

ものすごい生活だと思う。

でも彼らの夕食の席はかなり楽しそうだった。言葉はわからないが会話することを本当に楽しんでいるように見えた。

することもないので8時頃にユルタの布団に入る。

ここでももちろん中央アジアの旅がいかに素晴らしいかを再確認した。

星空もきれいなはずであったが、

眼鏡をタシュ・ラバットに置いて来てしまったために満喫はできなかった。

なんたる失態。

裸眼でも天の川が見えたんだからさぞすごかったんだろうなあ。

最初に書くことがあまりないと書いたが、ここで訂正する。