収容所と壁

2/20金

朝6時に起きる。
寝不足。

台湾人姉妹と合流し、
スーツケースを預けてザクセンハウゼン強制収容所へ向かう。
ベルリンから1時間ほどの郊外にある。
しかしいろいろと迷って2時間かかった。笑

ベルリンの交通機関はかなり複雑。
地下鉄の路線が日本並みに多く、駅の表示は日本より不親切だからわかりにくい。
日本の駅の表示版には次の駅がどこか書いてあるからどっちに乗ればいいかとか、乗り過ごしてないかとかがひと目でわかるけど、ベルリンにもスウェーデンにもそれがなかった。
ちなみにドイツはスウェーデンと比べると英語が通じない人もしくは話せない人が多いと感じる。

ザクセンハウゼンはドイツやポーランドに散らばる収容所のひとつ。
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手前がドイツ軍の領域。門の向こうが収容所。

台湾人の片方は昔ザクセンハウゼンに3週間アーティストの手伝いをするボランティアに行っていたらしく、
ガイドのように説明してくれた。
もう一回来る価値がある場所だとのこと。
ちなみに台湾人姉妹の姉の方はグラスゴーに、妹の方はオランダにマスターをとるために留学しているそうだ。
にしても姉妹で海外の院に留学とはすごい。

まずはドイツ人軍隊が使っていた建物の前を通り、壁に囲まれた収容所に入る。
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門には「労働は人を自由にする」という意味のドイツ語が書いてある。
しかしユダヤ人はこの中でどれだけ働いても収容所に閉じ込められたままであったという皮肉。
いくら働いても自由になれないユダヤ人をあざ笑うかのように外から見ていた様子が思い浮かぶ。
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収容者が使うトイレ

実際にはユダヤ人だけでなく、共産主義者、同性愛者、反政府運動家などナチに都合の悪い人たちも収容されていた。
アウシュビッツのように大量虐殺をしたガス室のようなものは見られなかったけど、
拷問や暴力は多々あったみたい。
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実際ここを訪れた時に前日よりはるかに寒く、
芯まで冷え切ってしまって半分くらい見た時点で帰りたくなった。
俺よりも薄着でこの環境の中で労働を行っていた収容者の苦しみがわずかながら理解できた。

お昼はジャガイモ料理。
ケチャップとチーズのソース。
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台湾人とは面白い話をたくさんした。
台湾に対して日本が戦前にした行為について学んでいたから、
日本のことをどう思っているか気になって聞いた。
とにかく台湾人は日本が好きであることはまちがいないらしい。
それはマンガみたいなサブカルの魅力、東京や京都のような観光の魅力などから主にきているみたい。
実際に2人はスラムダンクが大好きらしく、他にもたくさん知ってた。


彼女らの祖父母は日本の植民地時代に青少年期を過ごした。
日本統治時代へのノスタルジーを感じるらしい。
それを聞いて素直にほっとしたけど、日本が過去に残虐な統治をしたことで辛い経験をした人がいることも忘れてはいけないと思う。

彼女たちは台南出身。台南のが台北よりご飯がよっぽどおいしいらしい。
行ってみたい。

お隣の国なのに英語で会話するの変な感じするな。
偉大なる世界公用語のパワー。

俺はまだ壁を見ていなかったからその後別れて、イーストサイドギャラリーに行った。

ここには壁が残されていて、国内外の芸術家が1.4キロに渡って絵を描いている。
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壁の崩壊をモチーフにした絵が多い。
有名なブレジネフとホーネッカーがキスしてる絵の前では群がって記念撮影してる人がたくさんいた。
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俺も群がって撮ってもらった。

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横から見ると思ったより壁は薄い。
落書きがあまりに多くて残念だったけど、あまりに長いから取り締まりようがないのかな。
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こんなのもあったり。
街の様子がすっかり変わっているから、当時の様子を想像することは難しい。


ということでそのあとはベルリンの壁博物館に行った。
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この博物館がある場所はかつてもっとも多くの人が東から西へと逃げたチェックポイント。
車や地下トンネルなど、さまざまな国境越えの手段や、壁に関して起きたデモについてなどが写真とともに説明されていた。
疲れで頭に説明が入ってこなかったので休憩室で仮眠。笑

当時の大量の写真、大量の文書が展示されていて全ては見きれなかった。

これでベルリン観光は終了。時間と体力さえあればもっと見たかった。

21:30発のシティナイトトレイン(ドイツの夜行列車)で向かう。
ミュンヘンまで10時間。
その名前やインターネットのサイトから綺麗で快適な列車を想像したけど、やってきたのはいつ作られたのかわからない古い客車列車だった。

一応シートで取ったのでリクライニング可能な寝心地の良いシートを想像していたら、なんと3段寝台だった。
想像できるだろうか。
ハリーポッターがホグワーツ特急で乗る客車に、3段ベットが2つ。
つまり一部屋に6個のベットがある。
そして俺が乗った時には部屋は人で埋まっていて、スーツケースを置く場所もない。
ぐっすり眠れるはずもないだろうなと案じていたら、どうやら俺は車両番号を間違えていたらしい。
正しい車両にに移ったら俺ともう一人しかいなかった。
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これはラッキー。
おかげさまで眠りは浅いながらもよく寝れた。